くひな笛

くひな笛(くいな笛)』とは、クイナを誘い出すために、その鳴き声に似せて作った笛の事です。

くひな笛

クイナ【水鶏(くいな・くひな)】
ツル目クイナ科の鳥の総称で、日本ではクイナ・ヒクイナなど11種が知られています。
鳴声はするが警戒心が強く、なかなか姿を見せない水鶏を誘い出すための笛が「くひな笛(くいな笛)」です。

芭蕉は生涯に、水鶏の句を二十数句詠んだそうで、代表的な作品として

「水鶏啼くと人のいへばや佐屋泊り」
(元禄7年5月25日夜、芭蕉51歳。最後の帰省の折、佐屋の陰士山田氏の屋敷で露川・素覧と三吟半歌仙を巻いた折の作品です)

「関守の宿を水鶏(くいな)にとはふもの」
(この句は白河で会うことができなかった俳友の何云宛書簡(上)に書かれています)

「この宿は水鶏もしらぬ扉かな」
(元禄七年 四十一歳〜五十一歳(笈日記)に詠んだとされています )

などがあります。

水鶏好きの芭蕉は、旅の途中に懐からくひな笛を取り出して吹いていたそうで、
奥の細道での道中にも笛を愛玩していたとも云われています。

また、歌に多く詠まれてきたのは、夏鳥のヒクイナ【緋水鶏】で、水辺の蘆の茂みや水田などに隠れて、キョッキョッキョキョと高音で鳴きます。
その鳴き声が戸を叩くようだとして「水鶏叩く」と言われます。


紅梅屋本店 「くひな笛」

芭蕉翁が旅の道中に愛用したといわれている 「くひな笛」に因んで作られた焼き菓子です。

▶詳しくは『紅梅屋本店HP』をご覧ください


芭蕉のふるさと