観菩提寺正月堂 修正会

三重県指定無形民俗文化財

遠い昔から伊賀路に春を呼ぶ行事として親しまれてきた正月堂修正会(しゅしょうえ)。天平勝宝4年(752)の創始以来、1260年以上の歴史を持つ正月堂修正会は、奈良東大寺二月堂のお水取りに先駆けて厳修される厄除け大餅会(だいひょうえ)式です。大餅会式という庶民的な行事と、達陀をはじめとする厳粛な儀式が合わさったユニークなもの、五穀豊穣と除厄を祈り、島ヶ原では「せきのと」と呼ばれて親しまれています。昭和29年に三重県の無形民俗文化財に指定されました。

[日 時]2024年2月11日(日)・12日(月・祝)
[場 所]観菩提寺 正月堂(伊賀市島ヶ原1349)
問合せ]観菩提寺 正月堂 社務所
     TEL:0595-59-3080

2月11日

 
  
 
14時頃 こども節句之頭やぶっちゃによるこども練り込みが行われます。
本堂に入り、節句盛が奉納されるとみなで祝唄(数え歌)を歌います。
 
 
 
 
本堂の外では福を授かろうと餅まきを待つ人がたくさんいらっしゃいます。
福餅が子供節句之頭やぶっちゃのこどもたちから撒かれます。
※年によっては餅まきと子ども練りこみの順番が前後することもあります。
 
 
正月堂修正会練込
 
『大餅練り込み』では、元頭村、西方、聖風講、白黄会、中矢方、蜜の木講の六つの頭屋が「エトウ-エトウ-」という勇ましい掛け声とともにぶつかり合い、シュロや野菜などで作った鬼頭、5枚の大餅や餅の成り花等、数々の珍奇な供え物を掲げながら次々と威勢よく堂内に入り宝前に供えるという勇ましい姿が見られます。
正月堂修正会祝歌

納め終えると、手拍子・足拍子をしながら「えべっさんという人は、一で俵ふんまえて、二でにっこり笑ろうて、三で酒つくって、四つ世の中良いように、 五ついつものゴウトクに、六つ無病息災に、七つ何事無いように、八つ屋敷広めて、 九つ米蔵(こぐら)を建て並べ、十でとうとう納まった」 とお祝いの数え歌(祝歌・ほぎうた)を一同で歌って納めます。

正月堂修正会餅まき

島ヶ原風おこし協議会による「福餅まき」では、ホラ貝の音が境内に鳴り響き、その時の年男・年女が「福餅」をまくと、境内の参拝客や見物人も一緒に賑わいをみせます。
※2023年の「福餅まき」は中止となりました。

2月12日

 

13時より正月堂の堂内では密教儀式の「おこない」(御行結願法要)が行われます。
※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、一般見学の方は間隔をあけていただき、従来より規模を縮小した開催となります。

正月堂修正会おこない

読経や護摩祈とうなどが行われます。

正月堂修正会おこない

練行衆が本尊厨子の周囲を廻りながら牛玉(ごほう)杖で乱打する「ほそのき驚覚法」、や「五体投地」が行われます。

正月堂修正会おこない

堂内に水をまき浄化する「水天」

正月堂修正会おこない

燃える大松を振りかざし、厄などを焼き払う「火天」

正月堂修正会おこない

火天・水天が大導師の「ランジョー」の声、乱声方の鉦、太鼓、ほら貝、拍子木の大音響の中、火と水を振りかざし羽のない下駄を踏み鳴らし荒々しく交錯する「達陀の行法」は豪快そのものです。これら「おこない」の行事は三重県内に残る数少ない伝統行事です。

 

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